はじめに
こんにちは!
突然ですが、自分はスマホゲーム開発チームのクライアントリーダーをしています。今回は新卒メンバーの育成について、最近取り組んでいることや気づきを共有したいと思います。
自分のチームには入社2年目の新卒メンバーがいるのですが、期待していたほどの成長が見られず、どうしたら効果的に成長を促せるかを試行錯誤してきました。その中で見つけた一つの解決策が「明確な基準設定と定期的なフォローアップ」です。これが意外なほど効果的だったので、同じような悩みを持つ方の参考になればと思います。
従来の面談の問題点
新卒メンバーとの1on1やフィードバック面談で、こんな経験はありませんか?
- 「なぜこれができていないの?」と問いただしてしまう
- 「どうしてこうなったの?」と原因を追及してしまう
- 結果的に相手を追い詰めてしまい、建設的な会話にならない
このようなアプローチだと、新卒メンバーは「怒られている」と感じて萎縮してしまいます。また、突発的な質問に対して適切な回答を準備できず、その場しのぎの返答になりがちです。
効果的だった方法:事前に質問を決めておく
そこで試したのが「事前に評価基準となる質問を決めておく」というアプローチです。新卒メンバーと話し合い、以下の4つの基準を設定しました:
1. 目的・目標の明確さ:タスクの目的と目標をしっかり理解しているか
2. 見積もりの精度:作業時間の見積もりは適切か
3. リスク管理:事前にボトルネックを洗い出せているか
4. スケジュール管理:期限は守れているか、守れない場合は事前に相談できているか
これらの基準を、毎週の1on1で一つずつ確認していくようにしました。重要なのは、これらの基準は自分が一方的に決めたものではなく、メンバーと話し合って合意したものだということです。
変化の兆し
このアプローチを始めて数回で、変化が見え始めました。
メンバーが自分で考えるようになったのです。「次の1on1でこの質問をされるだろうから、事前に考えておこう」という意識が芽生え、自主的に準備するようになりました。結果として、後半にはスケジュール通りにタスクを完了させる能力が向上し、予測不能な問題が発生した際も早めに相談できるようになってきました。
現代の「えせホワイト職場」における落とし穴
最近のいわゆる「えせホワイト職場」では、ネガティブなフィードバックを避ける傾向があります。これは一見良いことのようですが、実は新卒メンバーの成長機会を奪っているかもしれません。
適切な厳しさや明確な基準がないと、「なんとなくやっていれば大丈夫」という甘えが生まれやすくなります。社会人として当たり前に求められる「締め切りを守る」「品質を保つ」といった基本が身につかないまま、年数だけが経過してしまう危険性があります。
成長を促す環境づくりのヒント
新卒メンバーの成長を効果的に促すためには、以下のポイントが重要だと感じています:
1. 明確な基準を設ける:曖昧な「頑張ろう」ではなく、具体的な行動や成果物を基準にする
2. 基準はメンバーと一緒に決める:トップダウンではなく、対話を通じて合意形成する
3. 定期的に振り返る機会を設ける:決めっぱなしにせず、継続的に確認する
4. 進歩を認める:小さな成長も見逃さず、きちんと評価する
5. 基準は個人に合わせて調整する:千差万別の個性に合わせたアプローチを
なお、基準の内容は個人の特性や課題によって異なります。自分の場合は「スケジュール管理」が課題だったので上記のような基準にしましたが、技術的なスキルが課題であれば、それに応じた基準を設けるべきでしょう。
まとめ
新卒メンバーの成長を促すには、明確な基準と定期的なフォローアップが効果的です。一方的に指導するのではなく、対話を通じて共に成長の道筋を描くことが大切です。
「何を期待されているのか」「何を達成すべきか」が明確になれば、新卒メンバー自身が自律的に考え、行動できるようになります。それが真の成長につながるのではないでしょうか。
みなさんのチームでも、ぜひ試してみてください!